声優論

女性声優たる前に人間たれ

Mygo!!!!!(Ave Mujica)と天候(ついでに本編気づきメモ)

久々にバンドリの記事となります。

先日発表されたAve MujicaのPVについて

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恐らく服装や状況からして前作Mygo!!!!!冒頭のCRYCHIC解散後のシーンだと思われます。

実はここに写ってる傘がMygo!!!!!のメンカラになってるというような考察もありましたが、ともかく私が感じたのはこの作品において天候というのは一貫して意味を持たされているのではないかということです。

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今回は迷子本編やイベスト等を見返し、雨に限らず天候から分析できる点をAve Mujica前に見て行きます。

なお、曇りの定義に関しては気象庁が定める「全雲量が9以上であって、見かけ上、中・下層の雲が上層の雲より多く、降水現象がない状態」に準じます。

なお、筆者は現段階でAve Mujica1話を見てません。落ちたからだよボケ

 

 

アニメ本編

正直晴れの時書くことないんで自由帳にしてます。豊川祥子が俺のブログ呼んでるかもしれないから断っとくとこれは歌詞じゃない

 

1話冒頭 CRYCHIC解散シーン●

そもそもこのアニメは池袋に降る雨粒の描写からスタートしています。

豪雨の中、祥子は傘も刺さずにしとどのままスタジオへ、そして解散宣言を出します

CRYCHICにトドメを刺す一言を睦が発したあと、再び視点は雨天の外に切り替わるのですが、心なしか冒頭よりも強まっているかのように見えます(これはかなり思い込みかも)

 

1話 イギリス・ヒースロー空港での愛音○

曇天。降水はないものの、厚い雲が引きの描写で見て取れます。

 

1話 羽丘での愛音と燈の初対面及び愛音転校後数日

覇権カプ誕生の瞬間。当然の晴天。

同時に視点はRiNG、月ノ森にも移りますが、そこでも局所的に天候が変化していることはなく、それぞれの視点の振り先である愛音、立希、そよが合流する瞬間に至っても特段天気が悪くなることはない。

注目したいのは祥子が音楽室でピアノを弾いている時点でも晴れが継続している点。

この立希と愛音の初対面は作中でしばらく禍根を残すひりついた出来事ではあるものの、単純な衝突に天候での描写は伴わないとも取ることができます。

 

オープニング○

そもそもここから考えなければならない。

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オープニング映像ではサビ前まで絵に書いたような曇り空だったのがサビに入ると晴れ渡る様子が描かれています。アマツマガツチ倒したんか?

 

2話

月ノ森やRiNGの周辺での描写では相当晴天

2話は基本屋内ばかりで話すが進みますが、いずれのシーンも窓から強い日が射し込んでいます。

カフェでオレンジジュースをストローで行く若葉睦は相当可愛い

サンシャインシティ前で愛音と燈が再会するシーンでも地べたに座ってることからしばらく雨が降っていない様子ですが、その際に紫陽花越しに2人が映る描写があります。

 

3話冒頭 中学卒業式

燈の過去回想ですが、その映像はグレーみがかかっており、天候は推察しかできません。心なしか体育館の窓は日が射しているようにも見える。

 

3話 燈と祥子の初対面

ドカ晴れ

祥子に燈がアテンポノートを全種類見せびらかす場面では紫陽花が表紙のものもあります。

祥子の家でピアノを弾いている時も晴れています。

 

3話 CRYCHIC結成

今気付いたけどここ立希がつぐみをめちゃ見てたんですね

これも今気付いたけどこの時点では燈は「祥子ちゃん」呼びだったんだな

未だに発見があるアニメすげーなのか私が注意欠陥なのかは議論の余地があります

カフェでオレンジジュースをストローで行く若葉睦は相当可愛い

 

3話 叫び放題→池袋カラ館

当然晴れっぽいけどここは別に行ってみた感じ叫び放題ではなかったです

実はそよがパスパレ入れてるの熱い

DAMなのにルミナスのMVがあるの何事だよ

ちなみにこのあと爆速で見落としがちですがそよがTITLE IDOLをノールックで歌って踊っているのでこいつ実はパスパレ大好きなんじゃねと話題に

春日影で「君の手」って歌詞が出た瞬間に祥子の手がアップになってバカ泣き

 

3話解散シーン●

冒頭と同じシーンではあるものの、視点が燈重視のものになっています。

燈のノートがアップされるのですが、恐らく「ボーカル必死すぎ」を受けて書いたページに注目するとスポットライトに当たったようなチョウ、トンボ、バッタ、花がCRYCHICのメンバーとして描かれており、誰が誰なのかは不明ですが、右側に記載されている順に当てはめると立希、そよ、睦、祥子になります。この時点では「さきちゃん」呼びでした。祥子=花になるのは非常に納得がいくが他は不明。
また、このページだけ見ると、ダンゴムシ(燈)が観客(アリ?)の面前で丸まったり、穴に落ちて他のメンバーに置いていかれ泣いてたりのデフォルメ描写があります。

「なにがわるいの?わからない」「一生懸命練習やったら嫌われる」「いっていいんだよっていっ_____がんばらなくちゃ」とあの一言や、そして祥子がいなくなったことにどれだけ燈が苦しんだのかと胸が痛みますね。後ほどライブを忌避する動機にも繋がります。

そして何より右下には迷星叫の歌詞の一部が書かれています。

 

4話 祥子ピアノ

愛音のバンドメンバーがそよであることを聞き、怪訝な表情でピアノを弾いている際や、その後そよにチェイスされる場面も雨は降っておりません。

 

4話 池袋→早稲田間

立希と燈の帰路では北極星と思しきものが輝いているカットが挟まります

 

4話 sumimi

初華→まなは「まなちゃん」らしいですね

 

5話 池袋→早稲田間

ここでも場所こそ違いますが立希と燈の記事にて星空が描写されています

 

5話RiNG外階段

そよと立希がバンドの方向性について話す場面ですが、こちらでは星は描かれていません。

やや時間が早い、という原因もあるかもしれませんが、sumimiのMVが流れる中でこの描写を挟むことで後述する初華の発言の説得力が増す、と言った意図も考えられます

 

5話サンシャインシティ周辺

愛音が中学の同級生と再開するところも気象庁の定義に基づけば晴れです。

愛音と燈が合流し、紫陽花に囲まれて待つそよと立希の前に現れるシーンでは、背後に星が見える場面もあります。

本当に何度見ても5話終盤やべーよ。マジで覇権カップリングが何か考え直してくれ。

 

6話 うみたき

海鈴が初華に目もくれずに一生立希を見つめていますね

俺は信用してるよ

 

7話冒頭 ライブ前

RiNGがデカデカと写っており判別が難しいところですがこの時点でやや曇り気味にも見えます

 

7話終盤 祥子が初華に電話○

これ流石に曇ってね?

暗くて見えにくいけど雲は暑く見えます。

少なくとも星空の描写はなしで、ここでもsumimiが流れています。

 

8話冒頭

一悶着あったライブ後も晴れています。

祥子はクラスメイトに下の名前も認識されていない、ピアノのことも知られていないとの事なので愛音が初めて喋った人レベルの可能性がありますが、そよとバンドを組むと知った時はどういった感情だったのでしょうか

 

8話燈の家

この辺晴れすぎててマジで天気の考察意味あるの?ってなってる

カブトムシを愛用(多分初華とのエピソード的に幼少期から好きだった)する祥子と、虫だからと手に取ることすら嫌う愛音とで対比になっています。

 

8話初華と祥子の邂逅

2人は今でも年一くらいで会ってそうなことが初華から語られます

全然晴れてる

 

8話らなりり

 

8話そよvs祥子

ここも別に晴れてる

が、噴水の音がCRYCHIC解散時の雨音を彷彿とさせます

 

9話冒頭そよ回想

そよが教科書の一ノ瀬姓を書き換えるシーンの背景には何かしらのトロフィーが二つ、そして恐らくそよが書いたであろう3人の似顔絵、父母自分と思われる絵があって本当に声出たよね。

小学校5年にして将来を憂うような表情のそよ。親の事情で子供にこんな顔させるなんてマジでありえなすぎるから普通に。

タワマンに引っ越した際の空はアホほど晴れ渡っています。

中学の入学式でアイマス2以前の伊織みたいだったそよは今みたいな感じになっているのでこの1年間がめちゃくちゃ成長期だったと言えますね

そよの回想も最終的にCRYCHIC解散シーンに至るのですが、強い雨音が印象的です。

 

9話池袋→早稲田間

立希と燈の帰路、時間の問題か雲は見えますがこれまで一貫して描かれた星はそこにはありません。

その後立希が1人の家路に付くシーンでは星があります。

 

9話 月ノ森定期演奏会

余裕で晴れてます

 

10話 プラネタリウム後燈と初華

ここでも紫陽花を手前側にしたカットが挟まります。

地方出身の初華は都会で星が見えるのが意外といった旨の発言をしています。

このシーンを見るたび初華はマジキチじゃないで欲しいと思ってる。

 

10話RiNG裏 燈と立希

sumimiが流れている。恐らく夕方ぐらいであるため雲量はさほどないが星は見えない。

 

10話 羽丘屋上○

燈が愛音を再びバンドに迎え入れる名シーン中の名シーン。

私利私欲でバンドだったり、燈の想いを利用してた部分があった愛音が真の意味で燈と同じ場所、つまり「迷子」に立った屈指の場面。

はちゃめちゃに曇ってる。

 

10話愛音vsそよ

翌日から雲は晴れ、千早愛音のスーパーアグロが始まる。この無責任な行動力こそがこの物語を突き動かすエンジンとなっています。

紅茶の描写については他の方も言及していますが初めて会った時は「そよにおすすめされた紅茶に無限に砂糖を入れていた愛音→そよの深層を理解していない」のがここで初めてストレートで飲んでそよの真意を理解するという暗喩が込められています。

 

10話ライブ前

前のライブよりRiNGが画に占める割合が落ちて空が見えやすくなっていますが晴れていると

 

11話冒頭

信じられないほど晴れ

うみたき屈指のシーンがあるが、海鈴が振り返り際何やら落ち込んだような表情をしていると話題になりました。

迷子の和解、或いは立希が自分を必要としなくなるのを見届けるのがAve Mujica加入の後押しになった可能性はあるかと思います。

 

11話旧SPACE駐車場

楽奈が猫と戯れてるシーンでは星が見えます

「SPACE」と「星」ね。わかんないなら一生そのままでいいよ。

 

11話そよ宅

こちらでも印象的な星空

 

13話祥子の日傘

ここに注目して欲しくてこのブログを書いています。

かつて雨の中傘も差さずにびしょ濡れになっていた祥子が今では晴れ渡る空の下日傘を携えている。

 

13話池袋→早稲田間

そよの燈への心情吐露。空は雲は見えるが星はない。

ここのセリフ

私ね燈ちゃんの歌詞、前から苦手だったんだ

なんて言うかいつも剥き出しでしょ?

祥ちゃんは燈ちゃんの叫びだって言ってたけど、多分、私の叫びでもあったの

気付くまで随分かかっちゃった

祥ちゃんに自己中だって言われた時もすぐには分からなくて

そうだよね、今まで向き合ってなかったんだもの

周りに受け入れもらおうと必死で、優しくしようとしてするのは偽善者じゃないかとか、考え出すと死にそうになるから、考えないようにしてた

だからね、燈ちゃんとバンドするのってそういうのと向き合うってことだから結構ヤバいんだよ?

母親だったり、同級生だったり、誰かのための存在でしかなかった長崎そよが、やっと「長崎そよ」でいれた場所がCRYCHIC、そしてMygo!!!!!だったのでしょう。

こんだけ長々そよが喋った結論が「ヤバい」なのもだいぶ外面を取り繕った長崎そよの印象とは乖離したものになります。

私多分、一生CRYCHICのこと、忘れられないよ

それに「私も」と答えれる高松燈なんだよね

過去を忘れて再スタートとか切り替えるとかそういう話ではなくて、CRYCHIC或いは豊川祥子という十字架を背負い続けると2人は決心したわけですよ。

そよは燈に惹かれてバンドに入ったわけではない、だからこそ上のセリフになるわけですし、この2人の関係性は救済された立希、居場所をもらった楽奈、自分を抜本から変えさせられた愛音とは異なる関係性となっているわけですし、2人には豊川祥子に人間にしてもらえた、或いは狂わされたという共通点がある。そういった意味では作中でも異質で歪な関係性と言えるでしょう。

天候の話してくれよ頼むから

 

13話Ave Mujicaライブ

前後依然として晴れ

 

とまぁ全然降ってないんですよ。

CRYCHICが解散した時しか降水はない。

曇りに関しても以下のシーンのみとの統計が取れました。

・愛音がイギリスを出国した際(本編過去)

・7話祥子が初華に電話するシーン

・10話燈を愛音が連れ戻すシーン

ここから番外編の内容にも触れて行きますが、対Ave Mujicaを想定するにあたって重要なのはやはり本編の要素ですのでこちらを軸に後ほど考察を深めていきます。

 

ゲーム内イベント

非公式のやつ引用しちゃった〜

ということで続いてはガルパにおいてMygo!!!!!2個目のイベント、「雨粒に混ざる音」です。1個目の方は全く気配がないので置いておきます。

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こちらのイベストはゲリラ豪雨に見舞われたメンバーがそよの家で雨宿りをするだけものなのですが

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これ、燈が言ってる内容はアニメ本編10話で同じくそよ宅で愛音が言ってた

ムカついたけど、そよさんも人間なんだなって思って

裏表凄いし、嘘つきまくりだし、意地悪いとことかあるでしょ?

と「長崎そよは人間である」という結論込みで同じことを言ってるんですよね。

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そよは結構ガチめにイラついています。

実は裏表凄くて人間味がある、みたいな評価が自分の中では完璧に外面を演じ続けてたつもりのそよにとっては不快なのかもしれません。

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「あの日」はCRYCHICの解散を指しています。
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雨については「嫌い」と即答
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雨が好きになるかについては不明であるとしています。
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「雨」という事象についてここまで言及がなされたのはこのイベストだけですので、考察における要にはなるかと思います。

連動曲もしっかり雨

 

栞MV

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このMVも雨降りからスタートし、中盤でまた降り始め、最後は雨上がりに他メンバーと合流する形で終わります。

 

壱雫空の歌詞と本編の考察(本題)

先ほども触れたこの曲をフルで見て行きます

フィルムライブで披露されたという観点からこの曲も本編時空、すなわち燈が作詞したものとして話を進めます。

もしこの雨が上がっても
忘れずに歩いてくよ
最初のひとしずくに 顔上げた今日の僕を

 

透明な傘で作る ひとり分だけの世界
(遮って隠れた)
そっと逃げ込んでいた
ビニール越しの空か
こぼれ落ちる音響いて
(弾けた合図)
滲む心へと溶けた

泣きじゃくっている この空といこう
(アスファルト染めていく 溢れ出したスコール)
通り過ぎる時を 待つだけじゃなくて
僕は見つめていたいんだよ
無色でもそこにあるもの

 

この雨が上がってく時
なにもなかったように
消えてく傘花みたいに心は
上手に折り畳めないから
過ぎ去ってしまう瞬間を
僕はあつめたいよ ああ ひとしずく

 

とめどなく傘にすべり落ちる
雫が揺れて描いてく (模様)
風に震えては
ぐずついてる僕みたいな
くすんでる今日を映した

 

迷い続けるこの空といこう
(曖昧に透ける色 眺めていたい)
ただよう雲だって 1秒先なんて
わからないままいくんだろう
不安で鈍く霞んでく 明日も

 

もしこの雨が上がっても
忘れたくないから
たった今を書きとめておきたいんだ
この手じゃ届かない
あの空から点線の糸で
つなぐように届いた ひとしずく

 

いまこの雨が上がってく
最後のひと粒が
小さく光って僕を映した
まだ道は乾かないだろう
潤んだ風を吸い込んだ
僕は連れていこう ああ ひとしずく

曲内の時系列が順当に進むと仮定した場合、実はオープニング映像で空が晴れていた1サビ時点は歌詞に準ずると2番Aメロで雨が降っているような表現があることからまだ雨が降っている状態だと思われます。

また、ラスサビ前だか2サビだかわからん部分は曲の最初と同様「もしこの雨が上がっても」ということで降っている、そしてラスサビで「いまこの雨が上がっていく」と止み始めます。

これだけ見ると雨降ってる〜降ってる〜降ってる〜止んだ〜という曲でしかないのですが、このタイミングで改めて本編時空における天候について、つまりは本題にようやく入ります。

 

とにかく迷子という作品は衝突に次ぐ衝突が多く、単純に陰鬱な場面の単に心情や状況を反映した描写として曇り空を出すというのであればもっと曇ってなければ不自然というのが私の見解です。

燈の中学の卒業式であるとか、愛音と立希の初対面であったり、同級生と鉢合わせるところとか、それこそ取り上げなかった所では6話で立希がライブ前に急ピッチバンドをまとめるに当たって思い詰めてたあたりとか、正直空を曇らせようと思えばいくらでも出来たのではなかろうかと。

従って天候の演出は単純なネガティヴ・イメージの技法では無く、別の意図や共通性が込められている可能性が高いと分析することもできます。

雨天はもちろんCRYCHIC解散時のみで先程まとめた曇り

・愛音がイギリスを出国した際(本編過去)

・7話祥子が初華に電話するシーン

・10話燈を愛音が連れ戻すシーン

 

加えて、サンシャインシティ前での紫陽花を手前にしたカット

・2話燈と愛音

・10話燈と初華

雨との関連性を加味し、もちろんサンシャインシティ前の再現というのもありますが、演出として手前の紫陽花越しにキャラが写されるのを何がしかの意図があると踏んでこちらも取り上げます。

 

仮説というかこじつけというかあらゆる反論が期待できてしまう部分ではありますが、本編での曇天は「どの場面に関与する人物が特定の共同体から離反した•しかけている際」に現れるのではないかと予想しています。

まず1話の愛音のシーンはイギリス留学から日本に帰ってくるシーンですが、少なくとも留学先というコミュニティから抜けているのは事実としてあり、羽丘でやり直すと決心するまでにタイムラグが生じていると考えればこの要項を満たします。

10話の愛音と燈に関して言っても正に迷子がバラバラになりかけていた、愛音の視点からすると燈が1人でステージに立っている=そよにいらないと明言された上、迷子のままで一緒に進むとかつて決めた自分は燈にとっても不要であると突き付けられ、いよいよ迷子(の前身となるバンド)がバラバラになろうとしていた時に該当するでしょう。

少し異質なのが迷子の初ライブで春日影をやられ逃げ帰った後に初華に助けを求める、私の推察に過ぎませんが恐らくAve Mujicaの結成が決定付けられた瞬間ではないかと読んでいます。

CRYCHICは既に自身の手によって半ば強引に解散させられており、離反の法則とはやや逸れる部分かと思います。祥子はあの時点でCRYCHICに未練が大いにあり、楽奈が春日影を演奏したことがトドメになった、と解釈することも出来なくはないですが、この場面にはMygo!!!!!・CRYCHIC以外にとある集団が存在しています。

三角初華の所属するsumimi、この記事の冒頭でも触れたAve MujicaのPV内での彼女の発言

祥ちゃんとずっと一緒にいたいって夢が叶ったから

これやsumimiの活動に初華自身が満足していない、疲弊しきっているような描写を踏まえると、この祥子のSOSによってsumimiが解散に至る、初華が現在の立場を降りる可能性はかなり高いと推理することができます。

つまりこのシーンは豊川祥子の覚悟、Ave Mujicaの結成といった様々な属性を持つ場面ではありますが、天候から読み解くとsumimiの崩壊すら浮かび上がって来るというとてつもない刹那でした。

逆にそよ絡みのシーンで一貫して曇り空が描かれていないのは作中で明言されているように、そよにとって後にMygo!!!!!となるバンドはCRYCHIC再結成の踏み台でしか無い→そこに一切の帰属意識は無いことの現れとも取れます。

 

曇りに関しては以上の法則に当てはめる事が出来ます。

そして実際に解散が明言される状況であると曇天はより強化され降水が伴う、それがCRYCHICの解散であったというわけです。

この法則に従った時、そよが祥子とライブ後に睦と3人で会うシーンで噴水の水音が強調というか常に背後で鳴き続けていたのはCRYCHICはもう戻らないとそよに突き付ける、即ち2度目の解散宣言であったからとも取れます。

 

続いて紫陽花越しの描写について

紫陽花はしばしば雨、とりわけ梅雨の時期との関係がイメージとして根付いているかと思います。

実際乾燥に非常に弱いそうで、雨の季節に水を蓄えておく性質があるのだそうです。

自分はこの紫陽花の描写を曇りの前段階と読みました。

形態変化としては

紫陽花→曇り→雨(解散)

というわけです

改めて紫陽花のシーンを見ると

・一度バンドの誘いを断った燈をCRYCHICの過去を踏まえて愛音が再び誘う(この時点では完全にそよに利用されていた形)

・そよの狂乱によってバラバラになった迷子の再結成の足掛かりとなる燈の「うた」を初華が(真意はどうあれ)呼び覚ます

どちらも迷子が結成すらしない、解散するといった展開になる恐れがある場面であり、これから雨模様に変わるかもしれないという状況を未然に回避した場面とも言えます。

つまり、雨・曇・紫陽花といった要素から関連付けて描かれている人物が破滅に向かっているのか、回復の兆しがあるのか、はたまたもう取り返しのつかない場所にあるのかといったある程度の見立てがこれらの描写から見立てることができます。

話を歌詞に戻します。ついでに栞もそうですが最終的に雨は晴れ、後者に関しては虹まで掛かる始末。

悪天候が共同体の分散のメタファーと言いましたがそれを踏まえるとOP映像の曇り→晴れはアニメ本編のおおよその流れであるMygo!!!!!というバンドの結成の流れを現していると取れ、この物語のオープニング主題歌としてあまりにも適切と言えます。

壱雫空の歌詞をよく見ると

過ぎ去ってしまう瞬間を
僕はあつめたいよ

 

もしこの雨が上がっても
忘れたくないから

 

僕は連れていこう ああ ひとしずく

 

本編では燈のトラウマであり、ゲームのイベントストーリーにおいては明確に「好きじゃない」といった雨=CRYCHICの解散をある種肯定するような表現が見られています。それは恐らく栞のMVにおける虹という表現も同様であり、そよの「一生CRYCHICを忘れない」に同意したのも頷けます。

 

アニメAve Mujicaの展開について、PVを見てもこの深まりすぎた悔恨を治癒することなど到底出来ないと思っていましたが、Mygo!!!!!のストーリーがオープニングの通り「曇天を晴らす物語」であると仮定すると、Ave Mujicaはフル尺の「雨を許容し前に進む物語」であるのかもしれないと細やかな希望を抱くこともできます。

 

また、今後Ave Mujica本編においても同様の規則性が見られる可能性もあることで、空からなんとなく展望を予見する楽しみ方もあるのでは無いでしょうか。少なくとも私個人は空模様は注視していきたい所存であります。

 

結論

青木陽菜の代表作は高千穂ステラってのは置いといて、私はsumimiがヒリついて純田まなにスポットライトが当たって欲しいし、何より反田葉月に不穏な方向の演技をして欲しいんだよな

ということで全ての答えは温泉むすめにあります。

早でした。